伝統の技が宿る
工芸の粋 彦根仏壇
滋賀県の伝統的工芸品
滋賀県には、「信楽焼」・「近江上布」・「彦根仏壇」の3つの伝統的工芸品があります。ざっくりとした肌合いと焼成の過程で素地が変化する美しさが魅力で多くの茶人に愛された「信楽焼」。細い麻の繊維を使い 爽やかさと上品さを合わせ持つ、麻織物の最高級品として知られる「近江上布」。そして、「彦根仏壇」。いずれも伝統的な技術・技法が使われており、経済産業大臣の指定を受けた工芸品として高く評価されています。
彦根仏壇を造る工部七職
「工部七職」による伝統の手仕事
- 各工程の職人が持つ、伝統の技が集まり、
- 一本のお仏壇が造られます。
- そこには大量生産品にはない、手仕事の技が、
- 込められています。
木地師(きじし)
- 欅や杉など、使用する木材を見極め、
- お仏壇本体を造ります。
宮殿師(くうでんし)
- 数千にも及ぶ部品を造り、それらを用いて
- 御本尊を祀る宮殿を組み上げていきます。
彫刻師(ちょうこくし)
- お仏壇の装飾部分を、のみや小刀、
- 彫刻刀を使い彫りあげます。
錺り金具師(かざりかなぐし)
- 一本のお仏壇に使われる三百以上の
- 装飾金具を彫金により造ります。
塗り師(ぬりし)
- 下地、中塗、上塗、研ぎ出し、磨き、
- これらを繰り返し、漆により耐久力を高めます。
金箔押師(きんぱくおしし)
- 三寸六分角(約一一センチ)の大きさで
- 薄い金箔を一枚づつ張り合わせ
- 金箔を押していきます。
蒔絵師(まきえし)
- 花鳥、山水、人物などを
- 硫黄や漆、金粉、銀粉を用いて描きあげます。
彦根仏壇の代表的な技法
ほぞ組み
彦根仏壇の主要な部品は全てホゾ・穴を掘って造られる組み立て式です。使用される木材は堅く、良質なものが選ばれます。組み立て式のため、繰り返しお洗濯(お仏壇の修復)することが可能です。
木目出し塗り
仏壇正面に欅や栓の木目を浮き立たせる、彦根仏壇に特長的な塗りの技法です。美しい木目を引き立たせるために、高度な塗りと研ぎの技術が求められます。
艶消し押し
金の豪華さと、慎み深さを表現するために、艶消し押しが用いられているのが大きな特長です。押漆を平均に塗り、古綿で漆を拭き取り、金箔を押していき仕上げます。